虫唾も肉離れ

取り留めもなさすぎる

人との距離のはかりかた


plenty 「人との距離のはかりかた」

 

すごくいい曲ですよね。

 

でも今日は僕の好きなバンドの話をするのではありません。(ちなみにこのplentyはこの曲とあと2,3曲しか知りません)

 

今日はこの曲のタイトルにもある

「人との距離のはかりかた」

について少ししたためたいと思う。

 

というのも今月で現在勤めている職場を去り、就業期間で言えばかなり短い期間であったものの、(本当にありがたいことに)先輩後輩から、自分との別れを惜しんでくれるようなことを頻繁に言ってもらっている。

 

そんな中で、とある後輩からこんな事を言われた。

「前田さんは他人との間に壁を感じさせない」

 

それを聞いて僕自身は、正直リアクションに困った。

多分後輩は良い意味で言ってくれてるんだろうけど、何というか腑に落ちないというか、自分は今まで「そういう意識」で人と接したことが無かったからだ。

 

ここで改めて、自分なりの人との接し方、初対面の現場のくぐり抜け方を洗い出してみようと思い立った。

 

まず基本的に、僕はどちらかと言えば内向的な性格で、人見知りだってする。初対面の人と接する時はかなり緊張するし、盛り上がってすぐ連絡先を交換、みたいなこともまるでない。

ではそんな僕がたとえば初対面の人と接する時、どうくぐり抜け、そして「それなりに良い人間関係」まで持ち込むか。

 

そう、まずは『様子をうかがう』である。

 

一対一にせよ一対複数にせよ、基本的には僕は先手を取らない。とにかく相手の出方やその場での人となりなどを観察する。

 

そしてそこでそれなりに相手方の雰囲気なり喋り方、癖、なんでも拾えるものは拾い上げて、背中の籠に入れていく。検品に通りそうにないものまでも。

 

そしてそれを重ねる過程で一番大事なのが、その場で距離を詰めようとし過ぎないことだ。

これも状況によりきだとは思うが、例えば職場の先輩後輩同僚相手だと、僕はかなりの期間、待った。そして観察した。

そして、それぞれの人に相応しい間合いを詰める。それ相応の時間をかけて。

 

だいたいこんな感じで、新しいコミュニティに属する事になった時はくぐり抜けてきた。

 

これにもう一つ付け加えるとすれば、「自分に合わない」と思った人には必要以上に距離は詰めないことだ。

たとえばそれが職場だとすれば、否応無しにある程度の距離を詰めなければならない状況も出て来るだろうが、それ以上は足を踏み入れない。

一人でも多くの人と仲良くなりたい、みんなと仲良くならないと気が済まない、と考える人であればこのやり方はおススメしないのだが、個人的には合わない人は最後の最後まで合わない。

そこに時間をかけるくらいだったら、他の人との距離感についてもっと考えた方がマシだ。

 

果たしてこのやり方が、後輩が言ってくれた「壁を作らない」結果に繋がっているのかはよくわからないが、少なくとも「相手方にある程度の隙を見せている」のは確かだ。それが結果的にウォールレスな関係を築けている所以になっているのかもしれない。

 

ここまで書いた通り、僕は人との距離感、立ち回りについて、結構深く考えている。

 

そして同じ職場に、こんな僕とはまるで対照的な距離感の取り方をしている同い年の輩がいた。

 

彼の名前を仮にサワダとしよう。

 

見た目はもう、文句のつけようのないくらい、体育会系だ。(俳優の石垣佑磨さんに似てる)

もし現代の科学者達が何を思ってか、後世に「世界中の体育会系の人間」のサンプルを残す人類選別を始めたら、彼は間違いなく日本代表に選ばれるだろう。(バカでかいカプセルの中で、冷凍保存が待ってるぞ!サワダ!)

 

そんな彼の人との距離の詰め方は、本当に才能と呼んでも差し支え無いとさえ僕は思っている。

 

そう、彼はとにかく土足でズカズカ入ってくる。

 

丁寧、丹念に下調べを重ね、身だしなみ・口臭チェック・咳払いのうちにノックを3回する僕とは違い、彼は気付いたら既にもうリビングまで上がってテレビのチャンネルを勝手に変えている。

 

なんかもうそこまで清々しく堂々とパーソナルな所に入って来られると、逆にもてなさない方が失礼なのかな?とさえ感じてくる。(多分僕はダッシュでコンビニに行って、アルフォートハッピーターンの大袋と、コーラとなっちゃんを買って帰るだろう)(ちなみにこれが僕の最高のもてなしだと思ってます)

 

そんな具合で僕は彼の泥の足跡をボーーッと見つめながらも、そういう人との距離の詰め方もまあアリかな?と思ってしまう。

彼には彼の考え方があり、きっとそういうスタイルに落ち着いたんだろう(たぶん)。

それにサワダは初めこそ図々しいキャラではあったが、今ではそれとなく愛されキャラになってるし、やっぱりどんなやり方でも信念を持って継続することが大切なのかなーと。